「be:hind」
PICO2
話はサスペンス調というか、一貫して怪しい雰囲気が流れ続けてる。
はっきりとした事件が起きないのでもやもやしながらみる。
これは登場人物の心情とシンクロしているのかもしれない。
感情移入というものがほぼ存在しなかった。
三人の登場人物がいるのだが、全員が全員怪しい。
ブレヒトの提唱した「異化効果」というやつなのでは?
世間知らずと変態 それからサイコパス
なにもせず養われ、外出等を制限されてることに疑問を持たない女
自分の庇護欲を満たすため、女をペットのように扱う男
そしてそのとなりに越してきた隣人。 (隣に越してきた隣人って二重表現かな)
最初はこの人が探偵役なのかと思ったけど違った
寄り添う訳でも、明確に壊そうとしてる訳でもないが、じわじわと毒のように二人の関係に介在していく様子がじんわりとした怖さを演出してた。
三戸さんの演技がまた、サイコパス感を増してた
一定のリズムを崩さずにしゃべる
三人とも怪しいけどたまに人間味を取り戻していてそこもまた揺さぶられた。
「そこは常識あるんかい!」みたいな
表面の言動は丁寧だが、思ってることは全然違うんだなというのが分かる。
最後、女は男と決別するのだが、その展開が急に思えた。
きっかけはもらったネックレスにGPSが仕掛けられているというとこなのだが、それ以前の怪しい行動に対して疑問を持たな過ぎていて、なんで急に常識人みたいな反応するん?と思えてしまった。
この、変な空気がずっと続くのに、具体的に事件が起きてない雰囲気でゴトーを待ちながらを思い出した。 ああ不条理劇と言えるのかもしれない。不条理劇の定義はよく知らない。ただそれだとしたら、観客をひきつける要素が別にもう一つ欲しかった。
例えば、笑いや視覚効果等
笑いを取ろうとしてるところは2、3あったけどギャグ的というか、概ねシーンが暗いため浮いて見える。もっとシニカルな笑いがあってたと思う
映像表現もあったが、ラスト以外は分かりやすくするための表現でしかない
ラストを映えさせるために他は控えめにしたというのが正しいのかも。
各々の独白で答え合わせをしてしまったのはもったいないというか、せっかくなので会話で見たかったが、オチ的にもあまりそれぞれに相手を理解させるわけにもいかなかったのかな
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